中国の滴滴、宿敵ウーバー独占市場へ参入 剛腕手法は受け入れられるか
ウーバーの戦い
その一方で、来年をめどに株式公開準備を進めているウーバーにとって、ラテンアメリカでの優位確保は重要性を増している。
昨年45億ドルの赤字を計上したウーバーは、中国やその他のアジア地域で激しい競争に直面しており、欧州では規制当局による取り締りを受けている。また同社は、連邦当局による一連の刑事捜査や職場におけるセクシャルハラスメントの告発により昨年7月に共同創業者のトラビス・カラニック氏が辞任するなど、スキャンダル続きの1年からようやく立ち直りつつあるところだ。
ウーバーのラテンアメリカ・アジア太平洋事業を担当するアンドリュー・マクドナルド副社長は、巨額の損失を計上するなかで収益市場のメキシコにおいて優位を維持するために、必要な手は何でも打つ用意がある、と話す。
「もっと新規顧客獲得に投資すべきなのか、それとも既存顧客との関わりを深めていくのか、引き続き注意を向けていくことになるだろう」と彼は言う。
ウーバーは、メキシコ顧客を繋ぎとめるため基本サービス料金を低く据え置くことを約束する、とマクドナルド副社長は言う。しかし彼は、収益を増やすために高級車指定などのオプション追加も検討していると話している。
滴滴出行によってメキシコ市場でのリードが削られることをウーバーが気にしているとしても、同社はそれを態度に示していない。マクドナルド副社長によれば、メキシコ市場でのノウハウをつかむのはそう簡単ではなく、ライバルもじきに思い知ることになるだろうと語る。
「滴滴出行の資金力はかなりのものだ」と語るマクドナルド副社長。「しかし、メキシコは一筋縄ではいかない市場だ」
(翻訳:エァクレーレン)
[メキシコシティー/サンフランシスコ 19日
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