最新記事

ドラッグ

生活排水からドラッグ使用量をチェック ドイツの都市が軒並み上位に

2018年3月19日(月)17時00分
松丸さとみ

Cineberg-iStock

<欧州19カ国56都市で生活排水を1週間採取し、違法ドラッグのアンフェタミン、コカイン、MDMA(エクスタシー)、メタンフェタミンの4種類について調べた...>

欧州56都市のドラッグ使用について調査

欧州の排水におけるドラッグの含有量を調べたところ、概してドイツの都市でのドラッグ使用が多いことが分かった。ドラッグ4種類の含有量ランキングのうち3種類でドイツの都市が上位に多くランクインしたのだ。

欧州の排水分析を行う組織SCOREが2017年3月、欧州連合(EU)の薬物監視機関である欧州薬物・薬物依存監視センターの協力のもと調査を行ない、今月、結果を発表した。

対象となった欧州19カ国56都市には、合計で4300万人が暮らしている。SCOREはこれらの都市の下水処理場にある貯水槽から生活排水のサンプルを1週間にわたり採取。違法ドラッグのアンフェタミン、コカイン、MDMA(エクスタシー)、メタンフェタミンの4種類について調べた。

EMCDDAによると、生活排水を調べることで、尿中に排出された代謝物からその地域で暮らす人たちが使用しているドラッグの種類や量が判断できるという。

ドイツの都市が軒並みランクイン

調査からは、ドラッグの種類によって地理的な傾向がみられたという。アンフェタミンの場合、排水から検出されたアンフェタミンの量が欧州の中で最も多かったのは北欧と東欧で、南欧では非常に少なかった。アンフェタミン検出量ランキングで1位になったのは、ベルギーのアントワープだった。

ドイツのニュースを英語で伝えるウェブメディア「ザ・ローカル」(ドイツ版)によると、アンフェタミン検出量ランキング上位10都市のうち、ザールブリュッケン(3位)、マインツ(5位)、ドルトムント(7位)、ロストック(8位)、ベルリン(9位)と5つをドイツの都市が占めた。

また通称「メス」と呼ばれるメタンフェタミンの使用については、EMCDDAによると全体的に少なかったが、ランキングではドイツのケムニッツが1位となり、エアフルト(3位)、ドレスデン(4位)、マクデブルク(9位)と4つの都市が上位10位に入った。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中