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貿易戦争世界の自動車メーカー、トランプの輸入関税めぐり同盟国の適用除外求め圧力

3月9日、世界の自動車メーカーや自動車部品メーカーは米国が課す鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を巡り、トランプ米政権と米議会に対して欧州連合(EU)やその他同盟国を適用対象から除外するよう圧力をかけている。写真はフォードのトラック工場。ケンタッキー州ルイビルで2月撮影(2018年 ロイター/Nick Carey)
世界の自動車メーカーや自動車部品メーカーは米国が課す鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を巡り、トランプ米政権と米議会に対して欧州連合(EU)やその他同盟国を適用対象から除外するよう圧力をかけている。複数の業界筋が9日に明らかにした。
ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)でつくる業界団体、米自動車貿易政策評議会(AAPC)はトランプ米大統領に宛てた2月27日付書簡で、輸入関税について「米自動車業界に毎年、大幅な追加コストが発生するだろう」と警告した。
ロイターが確認した書簡は「供給に関連した制約が価格の大幅な上昇につながりかねず」、最終的に自動車の販売が減少することで鉄鋼やアルミニウムメーカーに打撃を与えると指摘した。
トヨタ自動車<7203.T>、韓国の現代自動車<005380.KS>、ホンダ<7267.T>などから成る業界団体、グローバル・オートメーカーズの代表者、John Bozzella氏は、米輸入関税が意味をなさないことを政策当局者に説明していると明らかにした。
同氏によると、自動車メーカーは米国から毎年200万台を輸出しており、この中には欧州向けの25万台も含まれている。
同氏は9日、欧州が報復措置を取れば「1つの工場全体に相当する年間生産が競争力を失うリスクにさらされるようなものだ」と指摘。各自動車メーカーは輸出だけでなく、価格の上昇により米国販売も減少する可能性があるとしたうえで、「自動車業界にとってはお互いに損をするシナリオだ」と付け加えた。
自動車部品メーカー1000社でつくる米自動車部品工業会(MEMA)の政府関連問題担当者、アン・ウィルソン氏はロイターに対し、数百の自動車部品メーカーが輸入関税の適用除外を求めるとの見通しを示した。
MEMAは輸入関税について「危険」だと指摘し、より多くの部品を適用対象から除外するよう米政権に求めている。


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