ポピュリスト大統領が次はメキシコに誕生する?
エネルギー政策では、既存の契約を見直すという。石油産業を外国の投資家に開放するのは反逆罪に当たるという主張だ。政権を握ったら、メキシコ湾での石油・天然ガスの試掘に歯止めをかけ、国境を越えるような天然ガスのパイプライン新規敷設を禁止するかもしれない。
ヘロイン生産対策やカルテル指導者の追跡などで、米政府機関との協力を打ち切る可能性もある。「経済社会的な性格の問題は強制的措置では解決できない」と、ロペス・オブラドールは昨年書いた。「軍事援助や情報活動、武器供与などで、わが国の治安問題は解決しない」
国際問題では、もともと中南米の社会主義的な指導者に甘い。ただベネズエラ情勢については、域内国の調停役から退く可能性がある。イラン、北朝鮮、シリアの問題でも国際社会に同調しないかもしれない。
トランプ米大統領との相性はどうだろう。トランプ政権が発足して間もなくロペス・オブラドールは講演旅行のため訪米し、トランプを何度もヒトラーに例えた。最近はトランプに「身の程を知らせてやる」と主張した。先が思いやられる。
<本誌2018年3月6日号掲載>
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