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アメリカ政治輸入関税で強硬姿勢崩さぬトランプ ペンシルベニア州下院補選意識か
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3月5日、トランプ米大統領は、今月ペンシルベニア州で実施される下院補欠選を強く意識して、鉄鋼とアルミニウムの輸入に高関税を課すという強硬策を打ち出した可能性がある。写真はホワイトハウスで1日撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ米大統領は、今月ペンシルベニア州で実施される下院補欠選を強く意識して、鉄鋼とアルミニウムの輸入に高関税を課すという強硬策を打ち出した可能性がある。
鉄鋼産業で知られるペンシルバニア州には、有権者の中に鉄鋼業界関係者が多く、今回補欠選が実施される選挙区は、鉄鋼の街ピッツバーグに近い。トランプ氏はこうした地域の有権者の取り込みを狙い高い輸入関税を課す方針を打ち出した可能性があると、共和党専門家は指摘する。
補選に出馬する共和党候補は、州議会議員のリック・サッコーン氏。民主党候補はコナー・ラム氏。
共和党ストラテジストのフォード・オコネル氏は「このタイミングでの発表は明らかにサッコーン氏に有利に働く」と指摘した。
一方、民主党ストラテジストのマイク・ミクス氏は「鉄鋼関税は、ペンシルベニア州西部では非常に多くに受け入れられている案だが、サッコーン氏を支援するには十分ではない。選挙結果を大きく左右するとは思わない。なぜなら民主党はずっと以前からこの案を主張してきたからだ」と説明した。
最近の世論調査では、ラム氏が支持率を伸ばしており、サッコーン氏とほぼ互角となっている。ラム氏は、トランプ氏が鉄鋼関税を打ち出すよりもずっと前から民主党は同じ主張をしてきた、と語っている。
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