ゾウの「ジャンクDNA」にがん抑制のメカニズムが存在することがわかった
2018年3月14日(水)18時00分
ヒトの100倍もの細胞を持ち、70年程度生存するゾウは、その巨体と寿命を維持するための細胞分裂も大量となるため、突然変異への耐性を必要とし、がん抑制の機能が強化されたと考えられている。
ジャンクDNAはまだ手つかずのジャングル
このほか、コウモリのゲノムは手足の異常、シャチやイルカのゲノムは血液凝固障害、ジュウサンセンジリスのゲノムは白皮症や遺伝性疾患のひとつであるレオパード症候群、ハダカデバネズミのゲノムは緑内障といったように、このプロジェクトで特定されたそれぞれの種のARは、疾病の診断や治療への新たなアプローチの発見につながる第一歩として期待が寄せられている。
「タンパク質に翻訳されない領域はジャンクDNAと呼ばれてきたが、私にとっては、まだ手つかずのジャングルのようなものだ」とグレッグ准教授が述べているとおり、医療の観点に限っても、ジャンクDNAから学ぶべきことはまだまだ潜んでいるようだ。
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