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米ロ関係元スパイ襲撃未遂で米国がロシア外交官ら60人追放 ロ政府は反発
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3月26日、トランプ米政権は、3月上旬に英国で起きたロシア元スパイの暗殺未遂事件にロシアが関与したとして、米国内のロシア外交官ら60人を国外に追放した。写真は、ロシアの元スパイであるセルゲイ・スクリパリ氏とその娘が神経剤で襲撃された事件が発生した英南部ソールズベリーの現場を調べる当局者。13日撮影(2018年 ロイター/Henry Nicholls)
トランプ米政権は26日、3月上旬に英国で起きたロシア元スパイの暗殺未遂事件にロシアが関与したとして、米国内のロシア外交官ら60人を国外に追放した。また、シアトルのロシア領事館も閉鎖するという。トランプ政権がロシアに対してとった最も強硬な措置だ。
事件は4日に英南部ソールズベリーで発生。ロシアの元スパイであるセルゲイ・スクリパリ氏とその娘が神経剤で襲撃され、意識不明の状態で見つかった。二人は重体で、現在入院中だ。
米高官は「われわれの友人を攻撃した場合、深刻な結果をもたらすことをロシア政府に伝える」と強調した。
ロシアは関与を否定している。英国は先に、ロシア外交官23人を追放するなどの制裁を課しており、ロシアは同じく23人の英外交官を追放することで報復措置をとった。
神経剤が欧州で攻撃目的として使われたのは第2次世界大戦以来のことだ。欧州連合(EU)は23日、ロシアに対して追加措置を講じることで合意した。ドイツとフランス、オランダ、デンマーク、ポーランド、ラトビア、リトアニア、エストニアは26日、国内のロシア外交官を追放すると発表した。
米当局者らによると、シアトルの領事館閉鎖は米潜水艦基地とボーイング社が近いため。退去命令を受けた60人には、「国際連合に在籍するロシア情報機関員」12人も含まれるという。ロシアの情報収集がますます強引になってきているとの米国の警戒心を反映する。
ロシア政府は米欧各国の措置を受け声明を発表し、「英国の同盟国はやみくもに、欧州大西洋協調の原則に従っている。常識や現代の国際対話、国際法の原則を損なう」と批判した。「これは明らかに敵意ある行為で注目に値する事態だ。それなりに対応する」と各国の動きをけん制した。
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