メルケル4期目、大連立内の利害調整に潜む難題
身内の突き上げ
メルケル氏は、CDU・CSUからの突き上げにも見舞われている。移民問題で強硬措置を取れないとの不満を受け、保守派内で最もメルケル氏の政策に批判的なイェンス・シュパーン氏を保健相に起用せざるを得なくなった。
シュパーン氏は、AfDからの保守票奪回に意欲的であるほか、メルケル氏の後継者の地位を狙っているとの見方が広がっている。
こうした中で週刊紙ツァイトのヨーゼフ・ヨッフェ発行編集人によると、メルケル氏が2021年までの今度の任期を全うできるか、あるいは2年以内にCDUの若手に政権を渡さなければならなくなるかはまだ分からないという。
ヨッフェ氏は「メルケル氏の追い落としを望む人々はCDUを右傾化させて、ナショナリストで反移民のAfDに向かった有権者を取り戻そうとするだろう」と話した。
メルケル氏は当然4期目を最後まで務めたいと考えている一方、新しい血を指導部に入れて後継者を育てるべきだという党内の意見にも配慮し、側近のアンネグレート・クランプ・カレンバウアー氏をCDUの新幹事長に指名して反対派からの攻勢をかわそうとしている。
(Paul Carrel記者)
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