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アメリカ政治素人イヴァンカの訪韓には反対だった──ケリー米大統領首席補佐官
平昌オリンピックの閉会式に出席したイヴァンカ(左)と北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長
<トランプの家族政治に黄信号? トランプの長女イヴァンカとケリー大統領首席補佐官との不仲が表面化>
韓国で2月25日に開催された平昌冬季オリンピックの閉会式には、ドナルド・トランプ大統領の長女イヴァンカが出席したが、トランプ政権運営の中枢にあたるジョン・ケリー大統領首席補佐官はそれを苦々しく思っていると、CNNが報じた。イヴァンカが「政府をもてあそんでいる」というのだ。
ケリーとイヴァンカの対立が噂されるなか、事情通2人がCNNの取材に応じた。それによれば、「大統領の娘」と「大統領補佐官」の2役を使い分けるイヴァンカに対して、ケリーが不満を抱くようになっており、今回の韓国訪問でその緊張が浮き彫りになったという。
ケリーは、外交や北朝鮮問題に関してごく限られた経験しか持たない人物が、公的な立場で韓国を訪問することに対して疑念を示したという。
ホワイトハウスはそうした軋轢を否定する。サラ・ハッカビー・サンダース報道官は2月26日、CNNに対して次のように述べている。「ケリー首席補佐官とマクマスター補佐官(国家安全保障担当)は計画当初からずっと、イヴァンカの訪韓を支持してきた。訪韓は大成功だったと全員が考えている。イヴァンカは政府の代表として申し分なかった」
またわざわざ、イヴァンカが閉会式に出席したのは外国との交渉にあたるためではない、とも付け加えた。
イヴァンカとケリーの対立の可能性は、マイケル・ウォルフの著書『炎と怒り――トランプ政権の内幕』(邦訳:早川書房)でも強調されている。ウォルフはこの本のなかで、イヴァンカとその夫ジャレッド・クシュナーとケリーとの間には軋轢があり、自分こそが主導権を握るべきだと双方が考えていると述べている。
トランプも家族も大嫌い
「ケリーが大統領に対して抱く反感に匹敵するのは、大統領の家族に対する軽蔑ぐらいだ」とウォルフは書いている。「ケリーは長いことその敵意に苦しんできた」
また、イヴァンカは父親の指示を受け、ケリーの後任を探しているとも噂される。事情通2人が「ヴァニティ・フェア」誌に語ったところによれば、舞台裏の不和を受け、大統領は実際に首席補佐官の後任探しを考えるようになったという。
イヴァンカが大統領の娘と補佐官という2つの顔を使い分ける例は、2月26日にも表面化した。大統領が性的暴行で訴えられていることについてメディアから聞かれると、娘の自分に聞く質問ではないと言って返事を回避したのだ。
「父が告発は真実ではないと明言しているときに、その娘に告発を信じるかと訊ねるのは不適切だと思う」
「ほかの人であれば、あなたはその娘にそんな質問をしないはずだ」と、イヴァンカは続けた。「私は父を信じているし、父のことを知っている。だから私には、娘として父親を信じる権利があると思う」
大統領補佐官としてイヴァンカが果たすべき義務とは矛盾している。
イヴァンカの夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナーは2月27日、トランプ政権の最高機密へのアクセス制限を失ったと伝えられたばかり。
(翻訳:ガリレオ)
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