東京マラソンも「笑顔」で! ランニングのパフォーマンスを上げるコツ
マラソンは「笑顔」で 今すぐできるパフォーマンスを上げるコツ Toru Hanai-REUTERS
<「東京マラソン」がとうとう今週末。「笑顔がランニングのパフォーマンスを向上させる」という研究が発表された>
一流アスリートは競技中、笑顔
国内最大級のマラソン大会「東京マラソン」がとうとう今週末にせまったが、参加する人たちは最後の調整に励んでいるところだろう。もう日数も少ないのでできることはあまりない......と思っている人もいるかもしれない。そんな人たちにぜひお伝えしたい、当日できるレースの秘訣とも言える実験結果がこのほど発表された。
「笑顔がランニングのパフォーマンスを向上させる」という記事が、学術誌「サイコロジー・オブ・スポーツ・アンド・エクササイズ」に掲載されたのだ。発表したのは、英国北アイルランドのアルスター大学の講師、ノエル・ブリック氏を中心とした研究者チーム。ブリック氏は英紙デイリー・メールに対し、「ランニングやサイクリングのイベントで、選手が笑顔でいるのに気づき、この戦略が耐久性の求められる活動に実際に計測可能な影響を与えるのか、好奇心をそそられました」と、研究の動機を語っている。
ブリック氏はまた、研究チームのメンバーであるリチャード・メトカーフ氏と一緒に書いた学術系ニュースサイト「ザ・カンバセーション」の記事で、リオ五輪のマラソン金メダリスト、エリウド・キプチョゲ選手を含むトップ・アスリートが、リラックスしたり競技に耐えたりするために時々笑顔になっている、と指摘している。
「ザ・カンバセーション」の記事によると実験では、普段から走り込んでいるレベルのランナー24人に、トレッドミルの上で6分間のランニングを4パターン走ってもらった。1つ目のパターンはまず「笑顔で走る」。これは、作り笑いではなく本物の笑顔であることがポイントだという。2つ目は、「しかめ面で走る」。これは、自分が普段、懸命に走っている時の顔を再現してもらった。3つ目は、「意図的に手と上半身をリラックスさせて走る」。ポテトチップスを親指と人差し指の間に挟んで持っていると想像し、それを割らないように走るイメージをしてもらったそうだ。そして最後は、「通常通り走る」だった。また、ランニング時は酸素マスクをつけてもらい、どれだけエネルギーを使ったかを計測した。そして各セッションの後に、それぞれの走り方でどう感じたかを報告してもらった。
笑顔はしかめ面よりもパフォーマンスが上がる
4つの走り方の中で、最も効率が良い(使用エネルギーが少ない)走り方だったのは、「笑顔で走る」だった。笑顔で走った場合、しかめ面で走った時より2.8%、普段通りの走り方よりも2.2%、効率が良かったという。意図的にリラックスした「ポテチ走り」は、普段の走りと比べ特に効率の良さは見られなかったそうだ。