仮想通貨クライシス、それでも成長は止まらない
歴史を振り返れば、金や銀に代わって紙幣が使われるようになったときに人々が懐疑的な思いを抱いたのは、そんなに昔のことではない。デジタル通貨は、社会の進歩における新しいステップにすぎない。だから私たちは、仮想通貨の可能性について、もっとオープンかつ広い視野で考えるべきだ。
仮想通貨はビットコインだけにとどまるものではない。市場はまだよちよち歩きの段階であり、もっと広く採用されるようになったとき、ブロックチェーンとその基本技術、そして仮想通貨の組み合わせがどんな変化をもたらすかは、まだ理解され始めたばかりだ。
それは今後も広がる一方だろう。テクノロジーそのものは難解に見えても、時間の節約、コスト削減、リスク低下を理解できない経営者はいないのだ。
経営者が市場のトレンドやテクノロジーの可能性から目を背けて閉鎖的な態度を取り続ける企業は、あっという間に時代に取り残されてしまうことを、歴史は容赦なく示してきた。また、永久に安泰のブランドなど存在しないことを、私たちは知っている。
少し立ち止まって、貨幣と自分の関係がどれだけ変わったか、そしてそれが今後どれだけ変化するか考えてみてほしい。そうすればデジタル通貨の未来について、私たちが心を開くべき理由が分かるはずだ。
<本誌2018年2月13日号「特集:仮想通貨の闇」から転載>
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