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アメリカ社会銃乱射を生き残った高校生たちに全米から誹謗中傷なぜ?
銃乱射事件の被害者である生徒らに、教師が銃をもてばどうかと尋ねたトランプ大統領(2月21日) Jonathan Ernst -REUTERS
<米フロリダ州の高校で発生した銃乱射事件後、生存者の生徒たちがオンライン・ハラスメントにさらされている。殺戮を目の当たりにして、銃規制を求めているからだ>
米東南部フロリダ州パークランドの高校で発生した銃乱射事件後、銃規制強化を訴えてきた生き残りの高校生たちがオンライン・ハラスメントの被害に苦しんでいる。
極右のコメンテーターや団体、陰謀論の支持者らは、17人が殺害されたマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちをこぞって攻撃し、なかには「雇われた役者」「偽物の生徒」と批判する者まで現れた。
「パークランドで起きた悲惨な銃乱射事件の生存者を狙った暴言やハラスメントが横行している」ことは、ツイッター社も公式に認め、対策に乗り出した。偽物呼ばわりされている生存者たちの名誉を守るため、すでに本人確認を始めたという。
「スパムや嫌がらせの報告ツールを使って、今後は悪意のあるユーザーが同じ内容の投稿を複数のアカウントから自動投稿することを禁止する」とツイッターは言う。
2月14日の事件発生後、生き残った生徒らは銃規制強化を求めて集会を開き、遠いワシントンの政治家にも行動を要求してきた。
事件の翌週には政治家や銃規制に反対するロビー団体「全米ライフル協会」(NRA)のメンバーと面会、アサルトライフル(自動小銃)の禁止法案を支持するよう訴えた。上院議員に対し、今後NRAからの政治献金を拒否するかどうかも問いただした。
クライシスアクターとは?
生徒たちの運動は全米に広がっているが、一方でオンライン・ハラスメントやいじめの動きも広がっている。この生徒たちは銃規制という政治目的を達成するために雇われ、犠牲者の役を演じる偽物「クライシスアクター」だと陰謀論者は攻撃する。ドナルド・トランプ米大統領の長男ジュニアもそうした投稿に「いいね」した。
生存者の生徒であるデービッド・ホッグ(17)は2月20日、米CNNのニュース番組に出演し、「自分はクライシスアクターではない」と涙ながらに言った。「僕は事件を目撃し、それを一生背負って生きなければならない生存者の1人だ」
同じく生徒のキャメロン・カスキー(17)は、「NRAの信奉者」から複数の殺害予告を受け、フェイスブックを閉鎖せざるを得なかった、と言った。
右派の政治評論家で映画監督でもあるディネシュ・ドゥスーザは、生存者を嘲るツイートを投稿し、批判を浴びた。2月20日、フロリダ州下院でアサルト銃禁止の法案提出を求める動議が反対多数で否決された結果に落胆する生徒らの写真をツイッターに載せ、いい気味だとコメントしたのだ。
さらに、事件を生き延びた生徒たちの悲しみは「政治的に扇動」された「でまかせ」、とも批判した。最初のツイートから15時間後、彼は一転して謝罪した。「惨劇で友人を失った生徒の気持ちを逆なでするコメントだった。心からお詫びする」
フェイスブックとユーチューブも、でまかせの陰謀論を唱える動画を拡散させたと批判を浴びている。2月21日の朝に再生回数が1位になったユーチューブの動画は、銃規制を求めた男子生徒が「雇われた偽物」とするでっち上げだったが、削除される前に20万回以上再生された。
(翻訳:河原里香)
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