最新記事

サイバー攻撃

スマート家電を狙う新型ボットネットの脅威

2018年2月7日(水)18時00分
アンソニー・カスバートソン

Beebright/SHUTTERSTOCK

<新型ボットネットはIoTに接続された機器の脆弱性に付け込んで乗っ取り、企業や基幹インフラに妨害攻撃を仕掛ける>

インターネットに接続された冷蔵庫やエアコンなどのスマート家電がハッカーに乗っ取られ、ネットをダウンさせかねない巨大なボットネット(悪意のあるユーザーによって遠隔操作されているコンピューター群)に変貌する――。専門家はそう警鐘を鳴らしている。

ネットセキュリティー企業チェック・ポイントによれば、最近注目される新型のボットネットは、16年に破壊的なサイバー攻撃を仕掛けたマルウエアMiraiを「はるかに上回るペース」で機器を乗っ取り続けるという。

「既にアメリカやオーストラリアなど世界中で100万以上の組織や企業に影響が出ており、その数は増える一方だ」と同社は警告する。「今は嵐の前の静けさ。もうすぐハリケーンがやって来る」

ボットネットはスマート家電やウェブカメラなど、いわゆるIoT(モノのインターネット)に接続した機器の脆弱性に付け込み、企業や組織、基幹インフラにDDoS(分散型サービス妨害)攻撃を仕掛ける。

16年にはMiraiが生み出したボットネットがネットフリックスやレディット、ツイッターといったネット関連企業のほか、ロシアの銀行も標的に。同年11月にはリベリアで国のネットインフラをダウンさせた。

新型ボットネットははるかに危険性を増している。IoT接続機器を次々に感染させ、他の機器に感染を拡大させるのだ。「全く新種の、より高度な攻撃が世界中で急速に広がっている」と、チェック・ポイントの広報担当者は言う。「さまざまな国のさまざまなタイプの機器から攻撃が行われている」

セキュリティーソフトを開発・販売するブルガードは16年、最多で1億8500万の機器がハッカーによってボットネットに組み込まれる恐れがあるとの調査結果を発表。多くのスマート機器メーカーがセキュリティー対策をないがしろにしていることも状況を悪化させている。ハイテク市場調査会社ガートナーの予測では、20年にIoT機器の数は200億を超える。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハンガリー、ICC脱退を表明 ネタニヤフ氏訪問受け

ワールド

ミャンマー地震、死者3000人超える、猛暑と雨で感

ビジネス

サントリーなど日本企業、米関税に対応へ 「インパク

ワールド

韓国、米関税で企業に緊急支援措置策定 米と交渉へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中