シェール革命は終わらない 今度はカナダが舞台

1月29日、カナダには、石油会社が米国でシェール革命を起こすことを可能にしたものと同じ利点の数々がある。アルバータ州のオイルサンドで2014年9月撮影(2018年 ロイター/Todd Korol)
米国のシェール革命は近年、カナダのエネルギー業界を直撃し、同国の広大なオイルサンドにおける急成長と雇用創出の20年を終幕に追い込んだ。
だがカナダは現在、そうした経済的ダメージを回復すべく、自国のシェールガス田に期待を寄せている。
カナダの生産者や世界的な石油メジャーは、同国西部セディメンタリー盆地のデュバネイとモントニーという2つのシェール層への関心を強めている。これらシェール層は、米国で最も生産量の多いシェールガス田に匹敵する可能性があるという。
カナダは米国に次ぐ大規模なシェール開発を行っており、すでに自国の石油生産全体の8%を占めるほどだ。中国、ロシア、アルゼンチンにも潤沢な埋蔵シェール資源があるが、完全な商業開発にはまだ障害が残る。
一方カナダには、石油会社が米国でシェール革命を起こすことを可能にしたものと同じ利点の数々がある。つまりそれは、リスクをいとわない多くのエネルギー民間企業の存在、深化した資本市場、石油を輸送するためのインフラ設備、シェール層のある地域の人口の少なさ、そして、シェールガス井に圧入する水が豊富なことだ。
カナダ国家エネルギー委員会(NEB)によると、デュバネイとモントニーのシェール層を合わせると、天然ガス500兆立法フィート、液化天然ガス200億バレル、石油45億バレルの市場性ある資源が眠っていると推定される。
「モントニーには、オイルサンド地域全体で回収可能な資源の半分程度が眠っていると考えられている。これはすごいことだ」と、カルガリーのエネルギー企業セブン・ジェネレーションズ・エナジーのマーティー・プロクター最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューでこう語った。
コンサルティング会社ウッド・マッケンジーによると、カナダのシェール生産高は日量およそ33万5000バレル(bpd)。向こう10年で42万bpdに拡大すると同社は予測している。また、生産活動が好調で、現地の情報が蓄積されれば、拡大ペースは早まり、生産高の推定規模も増加する可能性があると、カナダ石油生産者協会はみている。