南北合同チームに韓国国民が猛反対 文大統領は映画で学ぶべきだった?
南北合同チームの選手たちが28日、初めて合同練習を行った。 Korean Sport & Olympic Committee / REUTERS
<オリンピック史上初の南北統一チーム結成が韓国内では反発を呼ぶ形になっている。過去の統一チームを扱った映画を文大統領が観ていれば、少しはこの国民感情を予想できたかも──>
第23回冬季オリンピックが、2月9日から韓国・平昌にて開催される。日本でも連日報道されているが、韓国と北朝鮮が「南北統一旗」で入場することや、オリンピック/パラリンピックに数百人規模の応援団が北朝鮮から参加すること。さらに開催1か月前に急きょ女子アイスホッケーチームが、韓国チーム23名に北朝鮮選手12名を追加した35名の南北合同チームで出場することなど、南北融和ムードに注目が集まっている。
初めて南北がスポーツの国際大会に合同チームで参加したのは、オリンピックではなく1991年に千葉市で開催された卓球の世界選手権だった。南北合同の女子団体チームは優勝し、このエピソードは後に2012年にペ・ドゥナとハ・ジウォン主演で映画化された。日本でも翌年『ハナ 〜奇跡の46日間〜』のタイトルで劇場公開されている。
今回の平昌五輪同様、この卓球世界選手権でも大会直前になって突然南北合同チームでの参加が決まり、映画では選手たちが困惑する場面が描写されている。劇中で韓国の選手が「誰がこんな合同チーム発足を指示したのか? 私は反対だ」と言うのに対して、代表チーム上層部が「国家の決定に不満があるようだが、嫌なら出て行け。代表チームの名簿から綺麗に名を消してやるから」と言うシーンがあり、公開当時は観客らから批判されたという。
では、今回のように南北の女子アイスホッケー選手が合同チームで活動することを描いた韓国映画は......というと、少し変則的な合同チームではあるが、実はすでに存在する。タイトルは『国家代表2』。韓国では2016年に公開されたが、日本では今現在未公開の作品だ。韓国で840万人以上を動員したヒット映画『国家代表』(2009年)の続編として制作された。