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トランプ、一般教書演説で超党派の協力呼びかけ 移民問題やインフラ投資で

2018年1月31日(水)16時15分


北朝鮮に「最大限の圧力」

一方、北朝鮮のミサイル・核開発問題については、トランプ大統領は「邪悪」と呼び、 北朝鮮の核ミサイル計画が近いうちに米国を脅かす可能性があるとの認識を示した。脅威が現実になるのを防ぐため、引き続き最大限の圧力を掛けると表明した。

北朝鮮を巡っては最近南北間協議が行われ、北朝鮮の平昌五輪参加が決まるなど進展がみられているものの、トランプ大統領の強硬姿勢は緊張が続いていることを浮き彫りにした。

トランプ氏は「北朝鮮の向こう見ずな核ミサイル計画はかなり近いうちにわれわれの本土を脅かす可能性がある」と指摘。「それを防ぐため、われわれは最大限の圧力を掛け続ける」と述べた。

また「米国と同盟国への核の脅威を理解する上で、北朝鮮政権の邪悪な性質に注目する必要がある」と語った。

北朝鮮に具体的にどのような圧力をかけるかは明らかにしなかった。

演説には、北朝鮮に拘束され米国に帰国直後に死亡した米国人のオットー・ワームビア氏の両親や北朝鮮からの亡命者も招待された。

トランプ氏は演説でワームビア氏を追悼した。

トランプ氏は今回の演説で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を以前のように「ロケットマン」と呼ぶことはなかったが、「北朝鮮の非情な指導部ほど容赦なく国民を抑圧する体制は存在しない」と述べた。

米国の知的財産守る

トランプ大統領は、米国の知的財産を守ると表明したが、これまで政権が批判してきた中国の名指しは避けた。知的財産権の侵害や産業の国家補助など、不公正な貿易慣行を強く批判するとみられていたが、貿易に関する言及は3行だけで、詳細には立ち入らなかった。

同氏は「公正で互恵的な」貿易が必要と改めて表明。「悪い貿易協定を修正し、新しい協定を交渉するため作業を進める」とし「我々の貿易ルールの強力な施行を通じ、米国の労働者と米国の知的財産を守る」と述べた。

[ワシントン 30日 ロイター]


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