最新記事

米中関係

あのランディがトランプ政権アジア担当要職に──対中戦略が変わる

現にアメリカはここに来て突然、国防戦略や貿易問題において、中国に対して敵対的になり、中国を苛立たせている。中国の怒りは尋常ではない。(これに関して書こう書こうと思いながら、なかなか時間が取れずに怠慢としていることを、お許し願いたい。追ってまた考察を公表させていただくつもりである。)

必ず変わる中国の対日外交

アメリカが変われば、必ず日本が変わる。

そして何よりも重要なのは、アメリカの対中外交が強硬に転じれば、中国は必ず、自ら日本との「友好」を求めてくるということである。

日本は中国に対して、韓国のような土下座外交をする必要はない。中国が自ら求めてくるまで待たないと、中国の良いようにされてしまって、日本の国益を損ねることは明らかだ。

韓国が今、北朝鮮のコントロール下に置かれたような形になり、平昌冬季五輪参加をめぐって、まるで朝鮮半島の運転席に北朝鮮が座っているような形勢になっている。

日本は、中国とそのような関係にだけはなってはならない。

習近平国家主席の来日を必死で懇願するような関係になってはならないのである。その懇願が実現した場合、懇願した側が必ず敗者となることに注目しなくてはならない。

日本はもっと毅然と、戦略的であるべきだ。

安倍政権には焦らないでほしいと強く望む。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

この筆者の記事一覧はこちら≫


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三井住友FG、今期純利益1.3兆円の予想 関税影響

ワールド

米韓政府高官、今月5日に為替協議 ウォン急伸

ワールド

中国、科学技術革新分野へ金融支援加速 「自立自強」

ビジネス

ソニーG、金融除き今期営業益横ばい 米関税影響10
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 8
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中