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世界経済欧州首脳、ダボス会議でトランプの「アメリカファースト」に対抗できるか
1月21日、「分断された世界で共有される未来の創造」というテーマが掲げられた今回の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で特に注目されるのは、欧州各国の首脳だ。写真は仏ダボスの窓に描かれたダボス会議のロゴ(2018年 ロイター/Denis Balibouse)
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が今週23日─26日まで開催され、各国の政治家や企業、銀行の幹部が一堂に会して活発な議論を行う。「分断された世界で共有される未来の創造」というテーマが掲げられた今回特に注目されるのは、欧州各国の首脳だ。
彼らには、トランプ米大統領が出席した場合に発するであろう「米国第一主義」に先んじて、それに対抗する理念を打ち出すことが求められている。
リーマン・ブラザーズ破綻を引き金とする世界金融危機から10年を経て、経済は成長を取り戻し、株価は過去最高値圏にある。それでも保護主義から気候変動、サイバー攻撃、戦争といったさまざまなリスクが存在するため、今後さらに世界経済がさらに明るくなるという希望が幻にすぎなくなる恐れも出ている。
ドイツ連銀の元総裁でスイスのUBS会長を務めるアクセル・ウェーバー氏はロイターに、これらのリスクすべてが金融市場の脅威になるわけではないと指摘しつつ「世界のつながりが既に幾分薄れ、今後もその動きが続いていく可能性があるとの見方には賛成する」と語った。
ダボス会議は、インドのモディ首相の演説で幕を開け、26日のトランプ氏による演説で幕を閉じる予定。昨年の会議を締めくくったのは中国の習近平国家主席で、内向きになった米国に代わって中国が世界のリーダーシップを担うと提案した。
ホワイトハウスによると、米政府機関閉鎖はトランプ氏のダボス会議出席に影響を及ぼさない見通し。ただ行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長は、事態が「流動的」になっていると警告した。
一方、モディ氏とトランプ氏の演説の間には、昨年姿を見せなかった欧州首脳が発言する。
先陣は24日のフランスのマクロン大統領の演説になるだろう。マクロン氏は、グローバリゼーションに対する自身の評価を明らかにするとともに、格差拡大や地球温暖化、ナショナリズムの台頭への対応策を打ち出す、と側近は話している。
英王立国際問題研究所のロビン・ニブレット所長は「マクロン氏がトランプ氏に対抗する存在となるのをためらう余地があるとは思えない」と述べた。
マクロン氏には、ドイツのメルケル首相やイタリアのジェンティローニ首相が助太刀する見通し。会議では欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長も演説するほか、英国のメイ首相やイスラエルのネタニヤフ首相などの出席が予定されている。
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