最新記事

北朝鮮

安倍首相、北朝鮮情勢「むしろ悪化」 豪ターンブル首相との会談で

2018年1月19日(金)08時27分

1月18日、来日中のオーストラリアのターンブル首相(写真左)と安倍晋三首相(同右)は首相官邸で会談した(2018年 ロイター/Shizuo Kambayashi/Pool)

安倍晋三首相は18日、来日したオーストラリアのターンブル首相との会談で、南北対話が始まった北朝鮮問題に言及し、「状況はむしろ悪化している」との情勢認識を示した。その上で両首脳は、北朝鮮の非核化を目指す方針で一致した。

両首脳は時間を割いて北朝鮮問題を協議した。会談に同席した西村康稔官房副長官によると、安倍首相はターンブル首相に対し、「北朝鮮は南北対話を進める一方で、核・ミサイル開発を継続している」と指摘。「状況はむしろ悪化している」と述べた。

一方、ターンブル首相は北朝鮮を「無謀なならず者国家」と呼んだ上で、「経済制裁は厳格な形で履行されなければならない。北朝鮮が正気に目覚めることを願う」と語った。

両首脳は、インドから太平洋にかけた広い地域で影響力を強める中国を念頭に、安全保障協力を強化することでも一致した。日豪の共同訓練を「質、量ともに拡充させる」(安倍首相)方針で、2018年中に両国の戦闘機が日本で演習を行うことを確認した。日豪部隊が、訓練などで相互に訪問する手続きを簡素化する協定の早期妥結でも合意した。

ターンブル首相の来日は、2015年12月以来2度目。悪化する安全保障環境を背景に、協調を演出した日豪首脳だったが、ターンブル氏は日本の捕鯨問題を取り上げることも忘れなかった。西村官房副長官によると、安倍首相は日本の立場を改めて説明。「両国関係全体に影響が及ばないようにすべき」などと応じたという。

(久保信博※)

[東京 18日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米からスイスに金地金が戻り始める、トランプ関税対象

ビジネス

日米、中国に対抗する必要 関税交渉を楽観=グラス新

ワールド

米、ウクライナ和平仲介を数日内に停止も 合意の兆し

ワールド

ミャンマー軍事政権と反軍勢力、停戦延長の意向=マレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中