中国、一帯一路でカンボジアに投資加速 「第2のマカオ」誕生か
中国のカンボジア進出に伴って、ビジネスが進展している。
「それは継続しており、爆発的に拡大しているとさえ言えるかもしれない」と米国で活動する研究者で、中国の海外進出に関する共著があるソーパール・イアー氏は語る。「どの国もやっていないような規模に達している、という話だ。彼らの活動の規模や大きさで、他の投資家を締め出している」
プノンペンでマンションを売り出し、シアヌークビルでも10億ドル規模のプロジェクト2件に着手しているプリンス・リアルエステート・グループが配布する豪勢なパンフレットで目を引くのは、習主席とフン・セン首相の写真だ。
マーケティング担当ディレクターHu Tian Lu氏は、インフラ整備を軸とする中国の開発・外交イニシアチブに触れ、「ここは、一帯一路構想における重要なロケーションだ」と語る。
シアヌークビルの港から車で少し行ったところに、拡張を続ける経済特区がある。ここで活動する110社のうち9割が中国企業で、輸出入関税は免除され、法人税も一定期間は非課税となっている。
中国はプノンペンに至る4車線の高速道路を建設する予定であり、シアヌークビル国際空港も拡張を進めている。同空港を利用する国際便の約7割は中国向けの発着だ。また「一帯一路」計画では、最終的に鉄道網の改善も盛り込まれた。
増加する中国人観光客
中国からの投資の焦点になっているのはシアヌークビルだが、こうした現象は決してここに限ったものではない。
カンボジアを訪れる観光客は、中国人が一番多い。その数は今年1─7月で63万5000人に上り、観光客全体の5分の1を占めた。カンボジアは、中国人観光客を2020年までに200万人へ増加したいと考えている。
2012年から2016年までの間、中国からの対カンボジア投資は40億ドルを超えた。米国からの投資と比べると、昨年操業開始したコカコーラ工場の1億ドルを計算に入れても、30倍以上となる。中国による昨年の援助額は2億6500万ドルで、日本による援助の2倍を超えており、米国と比較すると4倍に近い。