最新記事

メディア

オバマ、SNSは社会を分裂させる恐れ 英ヘンリー王子が司会の番組で

2017年12月28日(木)10時26分

[ロンドン 27日 ロイター] -

オバマ前米大統領はBBCラジオが27日放送したインタビューで、ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションは社会を分裂させる恐れがあり、各界の指導者らは人々が個人の偏った見方で満足してしまわないようにしなければならないと述べた。

番組では英国のヘンリー王子がゲスト編集長を務め、9月にオバマ氏にインタビューした。

オバマ氏は以前にも、ソーシャルメディア上で人々は複雑な事項について即決してしまう危険をはらんでいると警告している。普段からツイッターを使うトランプ米大統領を批判することは控えた。

インタビューでオバマ氏は「指導的立場にいるわれわれはみな、インターネット上で共有できる場を再現する方法を模索しなければならない」と述べた。「インターネットの危険の一つは、それぞれが全く異なる現実を持っていることだ。偏った見方を強化するような情報に囲まれて満足しきってしまう可能性がある」と指摘した。

また、ソーシャルメディアは多様な見方を促すべきであり、「小国乱立の社会を作ってはならない」と発言。オンライン社会をオフラインに転換することで、多くの課題がチャットルームでのやりとりよりも複雑であることが分かるだろうとの見方を示した。

オバマ氏はまた、気候変動問題などについて長期的に取り組む意向を示した。「ヒューストンからフロリダの一部、そして今はプエトリコを破壊したハリケーンなど最近起きた悲惨な出来事があるだろう。これらの問題の対応は今、私の直接的な責任ではないが、気候変動の結果ハリケーンや自然災害の頻度が加速するようなことがないように向こう20年間取り組める。長期的なアプローチをとれることはとても贅沢だ」と述べた。

一方、ヘンリー王子は、米女優メーガン・マークルさんとの来年の挙式にオバマ大統領を招待するかとのBBCの質問に対して「分からない。招待状や招待客一覧はまだ準備していない。(オバマ夫妻が)招待されるかは誰にも分からない。サプライズを台無しにしたくない」と述べた。英大衆紙サンは26日、英政府がヘンリー王子に対して、トランプ大統領を怒らせないためにオバマ夫妻を招待しないように要請したと報道している。



ロイター


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中