『スター・ウォーズ』最新作は、映画界を新たな銀河に導く最高傑作
高まる次作への期待
それでもフィッシャーが亡くなったことを知っている観客は、レイアの言動に死の運命を予感してしまう。ルークが双子の妹であるレイアに掛けた最後の言葉は、意図せず悲しくも優しい別れの言葉になってしまった。
ジョンソンは3部作の幕開けという重圧も、締めくくりという重圧もない自由をうまく使って、光と闇の線引きが曖昧な領域へと物語を導く。例えば、フィンとローズが追っていた協力者は、ファースト・オーダーとレジスタンスの両方に協力して稼いでいたことが分かる。
『最後のジェダイ』は、「光も闇も同じだ」などという斜に構えた考え方を正当化することはない。だが、自分を見失っても戦いに勝つことは可能なのかという難しい問いを突き付ける。
シリーズ映画の新作が公開されるときは、「シリーズ最高傑作」と宣伝されるのはお約束。本作も例外ではなく、これまで最高とされてきた『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』をも上回る傑作との呼び声も高い。
『最後のジェダイ』の場合、その宣伝文句は事実だ。むしろシリーズ最高傑作という賛辞だけでは、漠然としていて物足りない。それは純粋に美しい映画であり、映画館を出た後、セットや殺陣について熱心に語りたくなる映画であり、次作で銀河の運命がどうなるかを真剣に議論したくなる映画だ。
ある登場人物が言う。「全てのジェダイ・マスターが負う重荷」は、教え子たちが自分を超えて育つことだ、と。それは今、ルーカスが背負う重荷でもある。願わくばほほ笑みながら。
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