中国人の北朝鮮観光は止まらず 政府の規制を国境都市が緩和
トランプ大統領の訪中
中国は、北朝鮮への旅行制限を公には発表しておらず、国連の調和を損なうものとして一方的な制裁には強く反対している。
だが、トランプ米大統領による初めての中国公式訪問を翌日に控えた11月7日、丹東市の観光局が市内の旅行業者に対し、平壌へのツアーを中止するよう指示したと、ロイターは伝えた。
北朝鮮のミサイル・核プログラムに対する制裁を完全履行することで同国に圧力をかけるため、協力関係にある中国の習近平国家主席について、トランプ大統領はしばしば称賛を送っている。
中朝国境にある人口80万人の中国北東部遼寧省丹東市は、主要な中国側貿易拠点であり、北朝鮮観光ツアー会社の大半が同市に存在する。国連制裁は今年、特に丹東経済を直撃した。
北朝鮮観光ツアーのほぼすべてが中止され、丹東に拠点を置いて伝統的に北朝鮮とビジネスをしてきた多くの企業が苦境に陥っていると、複数の関係筋がロイターに明かした。
「成功している中国人ビジネスマンの多くが休暇で旅行に出ている。今ここにいても、何もすることがないからだ」と、丹東の中国人ビジネスマンの1人は言う。
中国の対朝貿易はすでに、過去数カ月で最低水準にある。北朝鮮にミサイル・核プログラムを放棄させるための国連決議を厳しく実行していると、中国政府は繰り返し主張している。
北朝鮮は今年、ミサイル発射実験のペースを加速しており、11月28日に実施した最新の実験について、核弾頭を搭載して米全土を攻撃できる新型大陸間弾道ミサイルの発射実験だったとしている。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
[北京 20日 ロイター]
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