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平昌五輪のロシア除外 プーチンの国内人気を一層高める

2017年12月8日(金)11時51分

世論調査ではプーチン氏の支持率は80%前後を示すのが普通の光景になっている。それでもプーチン氏は、IOCの決定に対する国民の怒りをてこに有権者の無関心という事態を克服し、選挙で高い投票率を確保して正当な付託を受けたとアピールできる。

IOCの決定への反発がロシアの愛国心を高揚させている兆候は既にいくつか見られる。政府傘下のロシア軍事歴史協会のあるメンバーはロイターに「ロシアは超大国だ」と胸を張り、ロシア抜きの五輪に価値はないと切り捨てた。

このメンバーはロシアの除外について、多くの国民が2014年のクリミア編入以降に定着したとみている西側の反ロシア運動の一環だとの考えを示した。

クリミア編入だけでなく、14年7月のマレーシア航空機撃墜事件や、ウクライナとの紛争など国際社会からロシアへの風当たりが強まるたびに、同国は西側を攻撃してきた。そうした戦術で国民の愛国心を取り込み、プーチン氏はどんなスキャンダルにも無敵に近い存在になった。今ではもはや多くの有権者から、かつての皇帝のような、国家を崩壊の淵から救った国父的人物として扱われている。

今年初め、米国でロシアとの関係改善意欲を見せていたトランプ氏が大統領に就任した際には、ロシアの西側攻撃は一時鳴りを潜めた。だがロシアの米大統領選干渉疑惑が浮上して両国関係が修復する望みがなくなるとともに、プーチン氏は以前にも増して西側対ロシアの構図を強調している。

ロシア政府に近い複数の人物は、IOCの決定とこれまで続いてきた西側の対ロシア制裁、そして新たな制裁が見込まれることが、有権者にプーチン氏の下で結束するよう政府が訴えかけるのを手助けするだろうと話した。このうちの1人は「外圧はわれわれをより強くする」と断言した。

(Andrew Osborn記者)



[モスクワ 6日 ロイター]


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