北京の幼稚園で児童にセクハラ? 成分不明の薬投与や針で刺すなど虐待も
特別調査
中国教育部は23日、同園運営に対する特別調査に着手。全土の教育当局に、「こうした事例を警告ととらえるよう」指示した。
これまでも中国では、子どもたちが叩かれたり、棒で殴られたり、口を粘着テープで閉じられたりする事件がオンラインで拡散され、市民の怒りを呼んでいた。
今回の事件についても、ソーシャルメディア上では、大きな怒りの渦が巻き起こっており、テンセント・ホールディングス<0700.HK>のチャットアプリ「ウィーチャット(微信)」では、「RYBエデュケーション」が23日だけで7600万回もつぶやかれた。
「これらの事件は個別の案件かも知れないが、それが映し出すより深い問題を見過ごしてはならない。そのための法律を執行し、監督を強化し、教師の給料を上げる必要がある。保育産業が、非文明的な形で成長することは許されない」と、新華社は論評した。
成長分野
中国の教育事業者は大きな投資を呼び込んでおり、一部の企業はグローバル市場に上場するなど、より高度な教育サービスを求めて急拡大する親世代からの需要の追い風を受けている。
24日の急落前には、RYBエデュケーション株はニューヨーク市場に9月上場して以来44%上昇しており、時価総額は一時約7億6600万ドル(約854億円)に達していた。
RYBエデュケーションが手掛ける教育施設で児童虐待疑惑が表面化したのは今回が初めてではない。
吉林省の裁判所は2015年、四平市にあるRYBエデュケーションが運営する幼稚園の1つで児童を身体的に虐待したとして教師2人に有罪判決を言い渡した。判決によると、この幼稚園では、スタッフが「複数回にわたり、針や脅しの手法を使い、担当する子どもたちの多くを虐待」していたという。
RYBエデュケーションは今年初めも、教師が子どもたちを叩いたり押したりしている映像が表面化。北京で同社が運営する別の幼稚園で「深刻な過ち」が発覚したとして、園長に辞任を求めていた。
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