最新記事

宇宙

宇宙に飛び出す槍?「宇宙アート」がイーロン・マスクのスペースXで打ち上げへ

2017年10月5日(木)16時50分
高森郁哉

長さ約30メートル COURTESY OF TREVOR PAGLEN AND NEVADA MUSEUM OF ART

<米国人アーティストが、イーロン・マスクの宇宙開発ベンチャー「スペースX」で、地球の衛星軌道に巨大な芸術作品を打ち上げる計画を進めている>

米国人アーティストが、地球の衛星軌道に巨大な芸術作品を打ち上げる計画を進めている。長さ約30メートルの細長い多面体を風船のように膨らませる構造で、表面で反射した太陽光が地上から観測できるという。英紙デイリーメールなどが報じている。

スペースXのロケットで来年中頃打ち上げか

アーティストのトレヴァー・パグレン氏とネバダ美術館の共同プロジェクトで、「オービタル・リフレクター」(軌道の反射板)と呼ばれる彫刻作品。記事によると、打ち上げは2018年中頃、イーロン・マスク氏の宇宙開発ベンチャー、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)が所有するロケット「ファルコン9」で打ち上げられるという。

作品の本体は、打ち上げ時には箱形の小型人工衛星に収められている。高度575キロの地球低軌道に到達すると、録音テープに似た薄くて軽量の素材でできた本体が自動的に膨らむ。

打ち上げから約2カ月後、この人工衛星は軌道から外れ、大気中で燃え尽きる。

北米では一晩に4回観測可

オービタル・リフレクターは、90分に1回のペースで地球を周回し、北米では夜に少なくとも4回観測できる。見えやすい時間帯は日没後と日の出前のそれぞれ数時間で、「北斗七星と同程度の明るさ」でゆっくり移動する様子を眺められるという。

他の人工衛星との接触を防ぐため、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)から追跡番号を取得する。この番号を無料アプリ「Star Walk 2」に入力すると、オービタル・リフレクターの位置を簡単に特定できるとのこと。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中