中国共産党大会が開幕、習近平「新時代の社会主義国築く」
共産党大会は5年ごとに開かれ、党最高指導部である政治局常務委員会の人事が行われる。
習氏は中国の発展はいかなる国にとっても脅威にはならないと強調した上で、中国は開かれた世界経済を支持するとの姿勢を示した。
さらに、高速な経済成長から質の高い経済成長への転換を目指し、経済・金融改革を深化させ、外国人投資家への市場開放を一段と進めるとの方針を明らかにした。
習氏は、金融システムに加えて外為相場の改革においても、市場原理に根ざした改革を進めると主張。「わが国の開かれた扉が、閉ざされることはない。さらに大きく開かれるだけだ」と述べた。
政府として「一元管理された市場や公正な競争を妨げる規則や慣行を撤廃し、民間企業の発展を支援し、あらゆる種類の市場主体の成長力を活性化させる」と語った。
一方で、国有企業をより大きく、強固なものにすると主張。政府は「国有資本の強化、改善、拡大を進め、国有資産の損失を有効に防止し、国有企業の改革を進化させ、混合所有制度(民間資本参加)を進め、世界的に競争力のある世界規模の企業を育てる」方針を示した。
中国共産党は以前から、効率を高め、経済をより持続可能な成長軌道に乗せるために自由市場が果たす役割を拡大させると表明してきた。習氏の今回の発言は、こういった姿勢をあらためて明示したものだ。
ただ、習氏が2期目に向けて準備する中で、経済政策への中央集権的アプローチや安定性への注力の方が習氏にとっては重要であり、市場の自由化は二の次だとの見方が外国企業の経営陣やアナリストの間で広がっている。
多くのエコノミストは、膨張し債務負担が重くなっている国有部門の改革、地方政府の債務問題に対処するための財政制度の調整、住宅バブルを抑制する新規不動産税の導入などが必要だとみている。こういった痛みを伴う改革は、習政権下で緩やかなペースで進んでいる。
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