相手の感情を感じ取るためには、顔を見るのではなく、耳を澄ました方がいい
顔の表情はごまかせても声はごまかせられない
実験を行ったチームは、感情を伝えるのに顔の表情ではなく声が効果的である理由として、声のトーンをごまかすのは難しいからだと分析している。
「いかに自信があるように見せられるか」や「好ましくない感情をいかに見せないか」などのテクニックについてはよく話されるが、声だけでこうしたことをするのは非常に難しいだろう、とクラウス博士は指摘している。
さらに、声の方が感情を読み取りやすい原因として、人間の認知能力の限界があるようだ。さまざまなモードを使ってコミュニケーションをする場合、顔の表情、使われている言葉、ボディランゲージ、声のトーンなど、複数の情報を一度に処理しなくてはいけなくなる。
クラウス博士は、相手の感情を感じ取るためにさまざまなチャネルのスイッチを入れ替えるのは困難だが、最も必要な情報が含まれる1つのチャネルに集中すれば精度が上がると説明。そして今回の実験で、その中で最も信頼性の高いチャネルが声だと分かった、と述べている。
クラウス博士はさらに、今回の実験は聞くことの重要性が明確に示されたとし、今後企業はさらにグローバル化し多様性が高まっていくため、傾聴のスキルは今後ますます重要になっていくだろう、と結んでいる。