トランプ政権が海洋保護見直し 対象のエネルギー業界はありがた迷惑
問題なき解決策
風力発電業界の代表者らは、カリフォルニア州の海洋保護区に風力タービンを建設すれば1600万世帯以上に電力を供給できるとする一方で、より開発コストが低く、論争にならないような場所での成長を模索する方が望ましいとしている。
カリフォルニア州沖は水深が深いため、コストが高く、まだ実証されていない浮体式風力発電技術が必要になる。同海域での開発はまた、カリフォルニア州の面倒な規制や世論の反対に直面する可能性がある。
「米国風力協会は、どのような(海洋保護の)指定区域の見直しも支持しない」と、同協会広報のエバン・ボーン氏は説明。「保護区は一般的に、洋上風力発電開発の障害にはなっていない」と同氏は語った。
風力発電は天候に左右され頼りにならないと、トランプ大統領は批判し続けている。自身が所有するスコットランドのゴルフコースの視界に入る建設プロジェクトを巡って争ったことのある同大統領は、風力タービンを目障りだと呼んでいる。
リベラル系シンクタンク「アメリカ進歩センター」の海洋政策ディレクターであるマイケル・コナサン氏は、保護区の見直しについて、石油業界と風力発電業界の需要がないことを考えると、主に象徴的な価値しかないようだとの見方を示し、「経済に何か劇的な変化が起きない限り、実際に(保護区の指定が)変わることはないだろう」と語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)Valerie Volcovici and Nichola Groom
[ワシントン/ロサンゼルス 28日 ロイター]