ケネディ暗殺の機密文書、FBIとCIAの要請で一部公開を先送り
10月26日、トランプ米大統領は、これまで非公開だった1963年のジョン・F・ケネディ元大統領(写真)暗殺に関する機密文書のうち約2800件の公開を指示。ただ、一部文書に関しては、機密指定解除を見送った。提供写真(2017年 ロイター/JFK Presidential Library and Museum/Handout/File Photo via REUTERS)
トランプ米大統領は26日、これまで非公開だった1963年のジョン・F・ケネディ元大統領暗殺に関する機密文書のうち約2800件の公開を指示。ただ、一部文書に関しては、機密指定解除を見送った。
ホワイトハウス高官によると、米連邦捜査局(FBI)と中央情報局(CIA)からの機密保持の要請によって、トランプ大統領は一部文書の公開を見送った。今回の決定により米国立公文書館は、機密指定が解除された文書について順次公開する。
ケネディ大統領暗殺に関する機密文書については、2017年10月26日を最終期限として、すべての文書を公開するよう法律で定められていた。
トランプ大統領は、政府機関に対して、残りの非公開文書については、今後180日以内に改めて機密保持が必要かどうかを検討するよう指示した、と当局者は語った。
トランプ大統領は26日付の文書で、機密文書の公開に踏み切ったが、一部文書の非公開要請については受け入れざるを得なかったと述べた。
一部文書の公開延期を求めた政府機関に対しては、情報を再検討し、公開しても安全保障や外交などに差しさわりのない文書をできる限り多く特定するよう指示したと付け加えた。
当時46歳の若きケネディ大統領が暗殺されたのは半世紀以上も前だが、機密文書には1970年代─90年代の捜査資料も含まれている。公開すれば、一部の警察関係者やまだ関連のある資料が危険にさらされる可能性があると、情報当局者や警察当局者は主張していた。
陰謀説に終止符か
1963年11月22日にテキサス州ダラス市内を車でパレード中にケネディ大統領が暗殺された事件の研究者らは、機密文書の公開によって、リー・オズワルド容疑者の動機について新たに大きな情報が得られることは期待できないと語った。
また、米国立公文書館に保管されている同大統領暗殺に関する500万ページを超える文書の公開によって、暗殺の黒幕としてマフィアやキューバなどの存在を指摘する陰謀説が消えることはほとんどないと研究者らはみている。