最新記事

情報公開

ケネディ暗殺の機密文書、FBIとCIAの要請で一部公開を先送り

2017年10月27日(金)15時14分

10月26日、トランプ米大統領は、これまで非公開だった1963年のジョン・F・ケネディ元大統領(写真)暗殺に関する機密文書のうち約2800件の公開を指示。ただ、一部文書に関しては、機密指定解除を見送った。提供写真(2017年 ロイター/JFK Presidential Library and Museum/Handout/File Photo via REUTERS)

トランプ米大統領は26日、これまで非公開だった1963年のジョン・F・ケネディ元大統領暗殺に関する機密文書のうち約2800件の公開を指示。ただ、一部文書に関しては、機密指定解除を見送った。

ホワイトハウス高官によると、米連邦捜査局(FBI)と中央情報局(CIA)からの機密保持の要請によって、トランプ大統領は一部文書の公開を見送った。今回の決定により米国立公文書館は、機密指定が解除された文書について順次公開する。

ケネディ大統領暗殺に関する機密文書については、2017年10月26日を最終期限として、すべての文書を公開するよう法律で定められていた。

トランプ大統領は、政府機関に対して、残りの非公開文書については、今後180日以内に改めて機密保持が必要かどうかを検討するよう指示した、と当局者は語った。

トランプ大統領は26日付の文書で、機密文書の公開に踏み切ったが、一部文書の非公開要請については受け入れざるを得なかったと述べた。

一部文書の公開延期を求めた政府機関に対しては、情報を再検討し、公開しても安全保障や外交などに差しさわりのない文書をできる限り多く特定するよう指示したと付け加えた。

当時46歳の若きケネディ大統領が暗殺されたのは半世紀以上も前だが、機密文書には1970年代─90年代の捜査資料も含まれている。公開すれば、一部の警察関係者やまだ関連のある資料が危険にさらされる可能性があると、情報当局者や警察当局者は主張していた。

陰謀説に終止符か

1963年11月22日にテキサス州ダラス市内を車でパレード中にケネディ大統領が暗殺された事件の研究者らは、機密文書の公開によって、リー・オズワルド容疑者の動機について新たに大きな情報が得られることは期待できないと語った。

また、米国立公文書館に保管されている同大統領暗殺に関する500万ページを超える文書の公開によって、暗殺の黒幕としてマフィアやキューバなどの存在を指摘する陰謀説が消えることはほとんどないと研究者らはみている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中