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米中関係トランプ、対中貿易調査巡り決定を下すようUSTR代表に指示へ
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8月12日、複数のホワイトハウス高官は、トランプ米大統領(写真)が14日、通商代表部(USTR)代表に対し、中国の貿易慣行について調査するかどうかを決定するよう命じることを明らかにした。米ウェストバージニア州ハンティントンで3日撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)
トランプ米大統領は14日、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に対し、中国で事業を行っている米企業が知的財産の引き渡しを迫られるといった中国の貿易慣行について調査するかどうかを決定するよう命じる。複数のホワイトハウス高官が12日に明らかにした。
北朝鮮との間で緊張が高まるなか、中国製品に対する大幅な関税を課すことにつながりかねない今回の動きについて、ホワイトハウス高官は記者団との電話会見で、北朝鮮を巡る外交と対中貿易調査方針は「完全に無関係」としている。
この高官によると、トランプ大統領はライトハイザー代表に対し、「不合理もしくは差別的である可能性があり、米国の知的財産、イノベーション、技術を侵害する可能性のある中国の法律、政策、慣行、行為」に対する調査が正当化されるかどうかを決定するよう指示する。
別の高官は「技術移転の強制や知的財産の窃盗を含む、中国の不公正な貿易慣行と産業政策が米国の経済と労働者に危害を加えている」と指摘。「14日の行動は大統領のこの問題に対する確固としたコミットメントを反映するものだ」と述べた。
3番目の高官によると、開始されるとみられる調査は結論が出るまでに1年かかる可能性がある。この高官は中国に対してどのような行動を取ることになるか推測するのは時期尚早だとした上で、この問題は「交渉による合意」を通じて解決される可能性があると付け加えた。
通商法301条は他国の「不公正な貿易慣行」から米国の産業を守るため、大統領が一方的に関税を課したり、その他の制裁を科したりすることを認めている。1980年代に頻繁に利用されていたものの、この10年間で利用されることはまれだった。
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