衝撃の人気ドラマが連鎖自殺を引き起こす?
電話相談が急増した理由
14年の俳優ロビン・ウィリアムズの自殺の例もある。全米自殺予防ライフライン(NSPL)によれば、このときは相談電話の件数が急増した。「残念な事件だったが、助けを求めていいということを人々に理解させた」と、ロングアイランド電話相談センターのリンダ・レナード理事は当時、本誌に語った。
ただし適切でない反応もあった。米映画芸術科学アカデミーは、自殺がウィリアムズの苦悩を解決したとでもいうような趣旨のツイートをして批判された。
若者は特に、自殺に関して悪影響を受けやすいことが分かっている。『13の理由』はそのリスクをさらに深刻なものにすると、自殺予防団体は指摘する。
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ドラマの製作陣は、自殺はタブーのテーマではないと訴えたかったと述べている。番組の製作総指揮を務める歌手・女優のセレーナ・ゴメスはこう話す。「正直に描きたかったし、できれば誰かを助けられるものを作りたかった。だって、自殺は絶対に駄目だから」。
ネットフリックスは、相談センターについての情報を掲載する番組関連ウェブサイトも開設した。
「自殺は主要な死因だが、防ぐことができるというのがドラマの重要なメッセージだ」と、ムーティエは言う。「その点、メディアには明確な役割がある」
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[2017年8月22日号掲載]