あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由
「タクシー運転手」は「軍艦島」同様、歴史上の事件を背景にして描かれたもので、こちらは1980年光州で起きた民主化運動を題材にしている。監督は「高地戦」「義兄弟」のジャン・フン。主人公は、こちらも韓国の人気俳優ソン・ガンホ。観客動員数は、すでに「軍艦島」を追い越して902万人(8月15日 韓国映画振興委員会発表数)を動員しており、8月3週目の週末には1000万人越えの予想が出ている(編集部注:「タクシー運転手」は8月20日の日中に38万9582人を動員、累計1035万3187人を動員した)。
今回の「軍艦島」は、CJエンターテインメントの製作・配給作品である。CJエンターテインメントと言えば、朴槿恵政権時に文化体育観光部(日本の文化庁に相当)からブラックリストに入れられ、「国際市場で逢いましょう」「仁川上陸作戦」といった国威発揚路線に方向転換した経緯がある。
今回も保守派寄りの大作映画を作ったにも拘らず、内容に対しては、予想に反してサポーターだと思っていたその保守派層から批判を受けることとなった。その一方で現在の文在寅政権にぴったりともいえる、光州事件を扱った映画「タクシー運転手」が大ヒットしている。この夏の映画興行成績は現在の韓国の政治状況と合わせ鏡になったようにも見える。
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