コンピューターゲームがイスラム憎悪を拡散?
ゲームの中でイスラム教徒が悪役になるケースは多い Patrick T. Fallon-Bloomberg/GETTY IMAGES
<ひどいイスラム差別か、単なる被害妄想か......。トルコが「有害ゲーム」の取り締まりを始めたが>
トルコ政府が外国のコンピューターゲームにかみ付いた。意図的に恐怖と憎悪をまき散らしているというのが理由だ。
コンピューターゲームの愛好者は、トルコにも大勢いる。その数は約2500万人で、1日当たりのプレー時間は延べ3900万時間に上ると、青年スポーツ省のフゼイフェ・ユルマズ教育・文化・研究委員長は国会で述べたという。
しかしユルマズによれば、多くのゲームには「有害な内容」が含まれている。性的なものや暴力的なもの、そしてイスラム教やイスラム教徒への恐怖と憎悪を拡散する内容のことだ。
このようなゲームの国内での販売を制限すべきだと、ユルマズは主張している。「兵士役のプレーヤーがイスラム教徒のテロリストを殺すと点数が入る。そうしたゲームの最大の目的は、イスラムへの憎悪を生み出すことにある」と、ユルマズは述べたという。
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トルコ政府のウェブサイトには、潜在的に反イスラム的な内容を含んでいるとして19のゲームが名指しされている。世界で2億5000万本以上売り上げた『コール・オブ・デューティ』シリーズのいくつかのゲームもリストに載っている。
例えば、『コール・オブ・デューティ モダン・ウォーフェア2』では、預言者ムハンマドの言葉を記したアラビア語の文字がトイレに掲げられている場面があると、青年スポーツ省は指摘している。制作元のアクティビジョン社は改訂版をリリースし、その文字を取り除いた。
ほかにやり玉に挙げられたゲームには、『ギターヒーロー3 レジェンド・オブ・ロック』がある。青年スポーツ省によれば、ステージの床に、アッラー(神)というアラビア語が記されていて、キャラクターがその上で飛んだり跳ねたりするようになっているという。
「このおぞましい行為は、イスラムを侮辱する画像がゲームに意図的に組み込まれている証拠と言える」と、青年スポーツ省はウェブサイトで批判している。制作元アクティビジョンは、本稿執筆時までに取材に返答していない。