最新記事

キャリア

スーツはおしゃれの道具じゃない、「細身」では信用されない

2017年7月26日(水)11時33分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

feedough-iStock.

<なぜ細身のスーツはいただけないのか。会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術>

ビジネスマンにとって、スーツは戦闘服だとよく言われる。「信頼感」や「誠実さ」を演出できる道具。しかし、戦闘服であるはずのスーツ姿が、どうにも残念な男性は少なくない。

イメージコンサルタントの石徹白未亜氏によれば、ビジネスファッション(=スーツの着こなし)で多い失敗は、「気を使わなさすぎ」か「イキりすぎ」のどちらか。前者は、楽だからと実際のサイズより大きいジャケットを着るような「おじさん」たちで、その無頓着な着こなしのために言葉を発する前から損をする可能性があるという。

後者は、本来ふさわしいサイズよりも細いサイズを好むような人たち。こちらも相当厄介なタイプで、「モテたい、女子からいい感じに見られたいという願いが絶対にある」はずなのに、「おしゃれに気をつかっているように見えて自己満足でしか」ないと、石徹白氏は断言する。ファッションとビジネスファッションは違うのだ。

ビジネスファッションにおいて最も重要なのは「悪目立ちしないこと、他人の目に留まらないこと」と言う石徹白氏は、『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。――会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)を出版。紳士服売り場でやってはいけない買い方から、値段以上の価値のあるスーツの選び方まで、軽妙なタッチでビジネスファッションのルールを解説している。

ここでは本書から一部を抜粋し、3回に分けて転載する。細身スーツの弊害だけで7つものポイントが挙げられているが、まずはその2つを紹介しよう。

◇ ◇ ◇

細身スーツの弊害1:若さを必要以上にアピールしてしまう

 ファッション以外でもそうですが、文化は「直前」が一番ダサく見えるものです。バブルのころの、ジャケットはたっぷりシルエットで、パンツもタックがたっぷり入っていたころの反動が今の細身スーツブームを生み出しました。しかし、あと20年したら、「なんでこの頃の服こんな細いの(笑)」となっているかもしれません。

 細身スーツのすべてが悪いというわけではありません。ただ、細身スーツを着ていいのは①細くて②顔が小さい③若い人です。この三つの要件から外れるほど細身スーツは無理が出ます。髪の毛が薄くなってきたのに髪型は学生時代の長めの状態を意地でも変えない人を見ると切なくなってしまうものですが、若くも顔が小さくも細くもない人が細身スーツを着ているときも周囲はいたたまれなくなります。若さにすがりついているように見えるからです。

 ここで、「よぉ〜し! 俺は細いし小顔で若いから思いっきり細身スーツ着るぞ〜!」と息巻く方も待ってください。次項以降で、若くて細いからといって過度な細身は印象で損をするということについてふれていますので、早まらないでください。

【参考記事】 40代独身男性はスーツをどのように着ればダサくないか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中