トランプ長男が公表したロシア関連メールの衝撃
トランプJr.(右)の軽率な行動が父親の足を引っ張ることに? Philip Sears-REUTERS
<ロシアの支援を快諾していたことが分かるメールの内容は、トランプ政権にこれだけの波紋を及ぼす>
トランプ米大統領の長男が昨年6月、大統領選で民主党の候補指名が確実視されたクリントン元国務長官に不利な情報入手を前提にロシア人弁護士と面会したことが、彼の公開したメールで明らかになった。メールと、ロシア人弁護士との会合が意味するものは? 気になるポイントをまとめてみた。
■トランプJr.は有罪になるか
ならないだろう。トランプJr.が公開したメールからは、彼がロブ・ゴールドストーンという仲介者が提供した「ロシア政府」からの「支援」の申し出を受け入れたことが分かった。
ゴールドストーンは「ヒラリー・クリントンに不利な」情報を提供すると伝えた。これは、選挙陣営が「外国人」に対して重要な「価値のある」材料を要請したり、受け取ったりすることを禁じる連邦法に抵触するとみる選挙法の専門家もいる。
だが、これに同意しない人もいる。フォーダム大学のジェッド・シュガーマン教授は、トランプJr.の行為が犯罪なら「選挙運動の当事者が外国人と候補について話をすれば、全て犯罪になってしまう」と指摘する。
【参考記事】トランプ長男、ロシア疑惑の動かぬ証拠を自らツイート
■違法でないなら何が問題か
つい先日まで、昨年の米大統領選におけるロシアのハッキングと工作に対するトランプ大統領の見解は、陣営のメンバーは選挙期間中に誰もロシア政府を代表する人物と接触すらしていないというものだった。
それは偽りだった。トランプ陣営の少なくとも3人の幹部が昨年6月、「ロシアとその政府によるトランプ氏への援助」に関する情報を提供したいとする有力なロシア人からのメールを見たという事実を踏まえ、今までロシアとの関係を否定してきたトランプ陣営の主張は見直されるべきだ。