シリアでISISに反撃する初のLGBT外国人部隊
2016年6月にオーランドのナイトクラブ「パルス」で銃を乱射し49人を殺害したオマル・マティーン容疑者は、犯行直前に現場から緊急通報用911に電話し、ISISの指導者アブバクル・バグダディへの忠誠を誓った。その後ISISは傘下のメディア「アマック」を通じて犯行声明を発表。バグダディが「同性愛者が集まるナイトクラブを狙え」と呼び掛けた。シリアやイラクでは、同性愛の話題そのものがタブーだ。
ISISは2014年半ばにイラクで台頭して以降、同性愛の疑いのある男性に目隠しをし、大勢の「観客」の前で建物から突き落とすプロパガンダ写真や映像を大量に公開してきた。突き落とされても死ななければ、観客たちが投石して殺す。
ISISの旗から虹色の旗に
ISISの支配地域で暮らしたLGBTの証言によれば、ISISはLGBTコミュニティーの人々を捕らえると、彼らの連絡先を調べ上げ、いもづる式に同性愛者を見つけ出そうとしたという。ISIS支配下の3年間で数十人のLGBTが殺害され、他にも大勢が避難した。
ラッカ奪還作戦でTQILAが実際にどれほど戦っているかは不明だ。もし彼らがISISに対する最後の一撃に貢献できれば、LGBTコミュニティーにとっては最高の勝利だ。その夢が実現したら、かつてISISの旗が立っていた場所に旗を立てる、とロジラトは言う。「TQILAの旗と、LGBTを象徴する虹色の旗だ」
(翻訳:河原里香)
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