1900円のシャツと8900円のシャツは何が違うのか?
1万9800円と2万9800円のスーツではたいした違いはないでしょうが、1万9800円と5万9800円を着比べてみてください。「このことか」とわかるはずです(もちろん、どちらもサイズが合っていることは前提です)。
当たり前ですが、1万9800円のスーツは「それなり」です。「衣」「食」「住」にそれぞれどのくらいお金を配分するかは所得やライフスタイルによって変わりますし、優先順位もあるでしょうが、スカートやスラックス、ワンピースなどさまざまなデザインがあり、それでうやむやにすることができる女性のファッションと違い、ジャケットとスラックスのみで構成されるスーツは価格で差が出やすいです。自分への投資として、プラス2万(できれば3万)ジャンプアップしてみましょう。「違う男」になれますので。
1900円と8900円のシャツは何が違うのか?
さきほど、高いスーツと安いスーツの比較をしましたが、シャツも同じです。スーツの場合高いスーツほど生地のウールの含有量が増え、ポリエステルが減ってきますが、シャツの場合高くなるほど綿の含有量が増え、ポリエステルが減ってきます。
綿の含有量が多くなると風合いがよくなります(ああだこうだ言うより、着ればわかります)。また、明らかに透けにくくなります。
アイドルのグラビアで、夏、水着の上にメンズシャツを着て、胸元や二の腕あたりに霧吹きで水をかけてシャツが素肌にぴたっとはりつき、肌の色がシャツ越しに透けているあの定番スタイルは、水着姿そのままのときよりも露出度は下がっているのにエロいというエロの奥深さを教えてくれますが、そういうときにアイドルが着ているメンズシャツはポリエステルの含有量が多いシャツのはずです。
水着グラビアでアイドルが着るシャツとしては及第点ですが、職場で成人男性のシャツが透けていても喜ぶ人はいません。下の肌着が透けるのもかっこわるいですし、当然、乳首が見えようものなら、ちくハラ(乳首ハラスメント)です。
「綿100%だと、アイロンがけが必要なんじゃない?」という方、今は綿100%でも形態安定のシャツは増えていますよ。
先ほど1万9800円のスーツと5万9800円のスーツの違いについて触れましたが、「今まで1万9800円のスーツだったけど、5万9800円のスーツにするぞ〜!」というのは、清水の舞台からそいやー! と飛び降りるようなチャレンジングな行為でしょう。なので、まず試してほしいのが、今までがポリエステルと綿の混合のシャツばかりなら、次は綿100%を試してみるということです。既製品だと安くて5000円くらいから買えます。特にシャツ一枚になるクールビズ期はシャツの品質が目立ちます。
私服のファッションアイテムを比較する場合、形も色もさまざまな無差別級ですが、スーツのファッションは、スーツもシャツも基本的に「同じ形」なので、素材の違いがはっきり出ます。香水にお金を使うくらいなら、いいシャツを買うほうがはるかに有意義なお金の使い方ですよ。
【参考記事】40代独身男性はスーツをどのように着ればダサくないか
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。
――会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』
石徹白未亜 著
CCCメディアハウス
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