アジアにも及んだカタール断交の圧力
アメリカもかつて、タリバンの指導者だったオサマ・ビンラディンがパキスタン北部アボタバードの邸宅に潜伏していたことが明らかになると、パキスタン政府に背を向けた。両国の関係は悪化し、パキスタンの司法当局はビン・ラディンの殺害作戦でCIA(米中央情報局)に協力したパキスタン人医師のシャキル・アフリディに対し、国家への反逆を企てたとして禁錮33年の判決を言い渡した。
それでもアメリカとパキスタンは数年で軍事協力を再開した。昨年バラク・オバマ前米大統領はパキスタンに対して10億ドル超の人道・軍事支援を行うと発表した。だが後任のトランプは、オバマが決めた支援の大幅削減を検討中だ。
パキスタンは大っぴらにサウジアラビアを支持することは依然拒否しているが、トランプはパキスタンのカタールに対する影響力を行使して、湾岸諸国の危機を収拾することを求めているとも伝わる。一方、パキスタンと敵対する隣国インドは、サウジアラビアの断交に従わず、新たに直通航路を開いたと言われる。
(翻訳:河原里香)