中国一帯一路、パキスタン建設事業を欧米からもぎ取った「力技」
パキスタン政府は、規制庁に圧力をかけたとの疑惑について回答しなかったが、過去に政府高官は、規制庁がプロジェクトの進行を遅らせているとの不満を口にしたことがあった。
この電力規制庁の高官は、パキスタン政府が国家電網に対し、同社が利用者から徴収する料金にかかる7.5%の源泉徴収税を25年間免除する優遇策を提供したと述べた。他の企業には提示されていない優遇策だという。
政府や国営送電公社は、税制優遇についての問い合わせに応じなかった。
国家電網は、昨年12月に契約を締結した。ロイターが閲覧した公式書類によると、同社は総額17億ドルを請求。うち、変電所の建設費用は、当初の12.6億ドルから10億ドルに減額された。
エネルギー相のクワジャ・アシフ氏は、パキスタンが中国をひいきしたり、電力網整備費用を過剰に支払っているとの指摘について、「その結論は、見当違い、または誇張されている」と述べ、否定した。
水利電力省の元幹部アシュファク・マフムード氏は、パキスタンにはインフラ改善を必要とする現実があり、巨大な隣人への一定程度の依存は不可避だと語る。「中国側は、その機会に乗じたものだ。責めることはできない」
(Drazen Jorgic記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)