最新記事

アメリカ政治

まるで踏み絵!閣僚全員がトランプを礼賛 米史上最も醜悪な閣議 

2017年6月13日(火)18時50分
アレクサンダー・ナザリアン

ロシアとの接触をめぐりますます疑惑が募るジェフ・セッションズ米司法長官は、トランプ政権が犯罪者や法執行当局に対して「正しいメッセージ」を送っている、と持ち上げた。続いてトランプと、アメリカのギャング集団MS-13を撲滅するという話で意気投合した。「奴ら全員を、すぐに排除できる見通しだ」と、トランプは言った。

アレクサンダー・アコスタ米労働長官は、トランプが「アメリカの労働者に奉仕」していると称賛したが、具体的にどう奉仕したのかには触れなかった。

リック・ペリー米エネルギー相が、アメリカが脱退を表明した地球温暖化の国際的枠組み「パリ協定」を「出来損ないの行政命令のようなもの」とこきおろすと、トランプは満足げな表情を浮かべた。

「あなたの姿勢に脱帽する」と、ペリーはトランプを称賛した。トランプがパリ協定離脱を表明した演説で、「私はピッツバーグのために選ばれたのであって、パリのためではない」と述べて国内産業の保護を優先する姿勢を鮮明にしたことを指したのだろう(ピッツバーグの市長はトランプの演説に反発し、独自にパリ協定の指針に従うと約束した)。

助けを必要とする人々のためになれた

ミック・マルバニー米行政管理予算局長は、「トランプの指示のおかげ」で「本当に助けを必要とする人々のためになること」ができるようになったと謝意を伝えた。マルバニーが3月に公表した2018会計年度の予算案の概要には、高齢者や身障者に食事を提供することで好評な連邦政府のプログラム「ミールズ・オン・ウィールズ」への歳出カットが含まれていたのだが。

「大統領選中に掲げた公約を着実に実行するあなたを支えるチャンスを得られて、私はわくわくしている」と言ったのは、ウィルバー・ロス米商務長官だ。そうした公約には、大多数の経済学者が疑問視する中国との貿易戦争も含まれている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

2月完全失業率は2.4%に改善、有効求人倍率1.2

ワールド

豪3月住宅価格は過去最高、4年ぶり利下げ受け=コア

ビジネス

アーム設計のデータセンター用CPU、年末にシェア5

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中