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アメリカ政治

まるで踏み絵!閣僚全員がトランプを礼賛 米史上最も醜悪な閣議 

2017年6月13日(火)18時50分
アレクサンダー・ナザリアン

「先週のインフラ週間は素晴らしい1週間だった。運輸省まで足を運んでくださり感謝申し上げる」と礼を述べたのは、イレーン・チャオ米運輸長官だ。チャオは大統領就任式で聴衆の規模に執拗にこだわったトランプの性質を察するかのように、こう続けた。「大勢の参加者が興奮した様子で一堂に会し、式典を見守っていた」

インフラ週間は実態が乏しいという理由で散々な評判だった。しかも先週は、トランプに電撃解任されたジェームズ・コミーFBI前長官が米上院情報特別委員会の公聴会で証言することにすっかり話題をさらわれた。

【参考記事】FBIコミー長官解任劇の奇々怪々

だがトランプに対するおべっかでは、駐ギリシャ米大使としてもうすぐ左遷という噂があるラインス・プリーバス大統領首席補佐官の右に出るものはいなかった。

「大統領、あなたの周りにいる上級スタッフ全員を代表して、あなたの政策とアメリカ国民のために仕える機会と祝福を与えてくれたことに感謝申し上げる」とプリーバスは言った。

ソーシャルメディアで笑い者に

プリーバスと最もいい勝負で、近代アメリカ史上最も不人気な政権を大げさに褒めまくったのは、ソニー・パーデュー米農務長官だ。「私はミシシッピ州から戻ったばかりだが、あそこの人々は大統領が大好きだ」。それを聞いたトランプは、見るからに嬉しそうだった。

トランプに批判的なリベラル派は、当然のことながらソーシャルメディアでこれを嘲笑の的にした。米MSNBCのスティーブ・ベネンは「驚くほど気味が悪い」と切り捨てた。

民主党のチャールズ・シューマー米上院院内総務は、閣議でのトランプ礼賛を揶揄して、事務所の若手スタッフが自分を褒めちぎる芝居の動画を公開した。




(スタッフに自分を褒めちぎらせるパロディ動画を作った民主党のシューマー米上院院内総務)


(翻訳:河原里香)



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