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トランプもうひとつの危機「憲法違反訴訟」が3件も係争中

2017年6月16日(金)20時21分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

就任前から問題視、さらに拡大する利益相反

利益相反問題は、大統領就任前からトランプのアキレス腱になると問題視されていた。現在係争中の3つの訴訟はいずれも外国政府からの報酬が憲法違反だとするものだが、それ以前に、そもそも巨大ビジネスの経営者でありながら大統領職に就くことなどあってはならない、という指摘がある。

もし大統領が自分のビジネスに有利になるような政策を行えばどうなるか。しかもトランプは、国外でも広く展開するホテルチェーンの経営者なのである。

【参考記事】トランプ最大のアキレス腱「利益相反」問題に解決策はあるのか

さらには今週に入り、トランプが以前中国で申請し、退けられていた商標6件が登録を認められたことが明らかになった。なぜ今になって、一転して認められたのか。4月にトランプが中国の習近平国家主席と首脳会談を行い、以来、中国批判を和らげたことの返礼だとすれば、これもまた利益相反だと批判の声が上がっている。

【参考記事】中国トランプの商標登録また認定 「利益相反」で丸儲け

トランプは豊富なビジネス経験と、「アメリカ・ファースト」を訴えて大統領になった。利益相反問題を解決しない限り、「トランプ・ファースト」のビジネスマンと批判されても仕方ないのではないだろうか。

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