イギリス自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査 リビアで父や弟拘束
兵士が街角警戒
マンチェスターで死亡した22人には、8歳の少女や、複数の10代の少女たち、28歳の男性と、娘たちを迎えにきたポーランド人夫婦が含まれる。
英国は23日夜、テロ攻撃の警戒水準を最高レベルに引き上げた。これは、次なる攻撃が近く行われる可能性を意味する。
だが、英国は6月8日に総選挙を控えており、メイ首相率いる保守党と野党は、週内にも選挙運動を再開することにしている。
マンチェスターでの自爆攻撃は、ロンドンで地下鉄やバスが爆破され、52人が死亡した2005年の攻撃以降、英国で発生した最悪の武力攻撃となった。
ラッド内相は、警察が捜査やパトロールに集中できるよう、最大3800人の兵士を市街地に動員し、通常は警察が行う警備活動を代行させる可能性を指摘。第1段階として、ロンドンなどで兵士984人に動員指示が出た。英国議会や首相官邸、ロンドン警察本部などで、兵士が警備にあたっている。
バッキンガム宮殿では、観光客に人気の衛兵交代の式典がキャンセルされた。警戒レベルが最高に引き上げられたことを受け、式典に動員される警察官を、別の捜査に配置するべきとの判断だという。
捜査に詳しい関係筋はロイターに対し、爆弾の製造についてアベディ容疑者に協力者がいたかどうか、いつどこで爆弾が作られたかに着目していると述べた。NYTが掲載した写真によると、爆弾には金属片や強力な起爆装置が組み込まれてたとみられる。
英国放送協会(BBC)によれば、アベディ容疑者が単独で作ったと考えるには、爆弾の構造が複雑すぎると治安当局はみているという。
英警察は24日、南マンチェスターで男3人、北マンチェスターで女1人、そして近郊の町ウィガンと、英中部の町ヌーニートンでそれぞれ男を1人ずつ拘束した。
ツアーを中止
米歌手アリアナ・グランデさんは24日、状況を把握し、「亡くなった方々を敬うため」、ツアーの一時中断を決めた。グランデさんは今週、ロンドンでのコンサートを2回予定していた。
サッカーのイングランド・プレミアリーグ覇者のチェルシーは、事件を受けて、28日にロンドンで予定していた優勝パレードを中止した。
マンチェスターの警察当局は、死者22人の身元を特定し、家族に連絡を取ったとしている。司法解剖に4、5日かかるとみられており、その後、被害者の名前を公表するという。自爆攻撃により、64人が負傷し、うち20人が重傷を負った。