イギリス自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査 リビアで父や弟拘束
父親のラマダン・アベディ容疑者は拘束前、犯行前のアベディ容疑者に変わった様子はなかったと話していた。「(サルマン・アベディ容疑者とは)5日ぐらい前に話した。変わったことは何もなく、普通だった」と、父親は拘束直前にロイターに語った。
地元治安当局の広報担当者によると、弟のハシム・アベディ容疑者はイスラム系過激派組織「イスラム国(IS)」につながりがあったとの疑いで拘束され、トリポリで攻撃を計画していた疑いがもたれている。
英国で23日に拘束された男は、アベディ容疑者の兄との報道もある。
これに先立ち、英国のラッド内相は、アベディ容疑者は最近リビアから戻ったばかりだったと指摘。フランスのコロン内相は、アベディ容疑者はISとつながりがあり、シリアを訪問したことがあるとみられると述べた。
捜査情報のリーク
英国当局者は、米国からの捜査情報のリークに怒りをつのらせている。23日には、発表前にアベディ容疑者の名前がメディアに漏れ、24日には血液が付着した爆弾破片の現場写真がNYTにリークされた。
英警察幹部は、両国の治安当局間の信頼が傷つけられ、捜査に悪影響が及んでいると指摘。
ラッド内相も、米政府高官への苦情を口にした。「英国警察は、情報の流れを制御したいと明確に述べてきた。捜査の全体性を守り、(捜査対象に)手の内を知られないようにするためだ。当然、他の情報源から情報が洩れればいら立つ。われわれの(米側の)友人に、再び起きて欲しくないとはっきり伝えた」と語った。
だがその数時間後、NYTが、現場で撮影されたとされる写真を掲載。
「英当局と米当局の間のすべてのレベルで、抗議を申し入れた」と英政府筋は英紙ガーディアンに語った。
メイ英首相は25日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会談が行われるブリュッセルで、トランプ米大統領と会談する。また、イタリアで開催される先進7カ国(G7)首脳会議は早めに切り上げる方針だ。