ユナイテッドの最大株主バフェット「乗客排除問題の対処で失敗」
5月8日、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)は、ユナイテッド航空が4月に発生した乗客引きずり降ろし問題への対処で「大変な失敗」をしたとの考えを示した。ネブラスカ州で6日撮影(2017年 ロイター/Rick Wilking)
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は8日、ユナイテッド航空が4月に発生した乗客引きずり降ろし問題への対処で「大変な失敗」をしたとの考えを示した。
ユナイテッド航空は4月初旬、オーバーブッキング(過剰予約)が発生した際、乗客を機内から引きずり下ろし、鼻の骨を折るなどのけがを負わせた。ムニョス最高経営責任者(CEO)が当初、同社の乗務員を擁護する姿勢を鮮明にしたことで、世界的な批判が広がり、同CEOは後に米議会の公聴会で証言する事態に発展した。
バフェット氏はCNBCに対し「明らかに大変な過ちだった」と言明。ムニョスCEOはその後「繰り返し謝罪したが、初めの対処が注目されるからだ」と語った。
バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイはユナイテッド航空の親会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスの最大の株主。そのほか、アメリカン航空グループ、デルタ航空、サウスウエスト航空の主要株主でもある。
バフェット氏は、航空業界の効率化が一段と進んでいると確信しており、それが航空業界への投資の背景にあると説明。極めて高い比率の利用者が安価のフライトを望んでおり、今回の乗客引きずり降ろし問題によってこうした状況が変わることはないとした。
同時に、満席状態の機内の狭い座席に詰め込まれ、乗客にとっては空の旅は快適なものではなくなってきたとの考えも示し、「航空会社の運営という仕事はしたくない」と語った。
バフェット氏はまた、金利が10-20年にわたり低水準にとどまることを想定すれば、株価は「格安」のようにみえると指摘。「この水準で株よりも30年債を購入することは馬鹿げているというのが私の考えだ」とし、「株式に比べ、債券はひどい選択肢だ」と語った。
3月末時点のバークシャーが保有する現金、現金同等物、債券は960億ドル超。
トランプ米大統領については、米経済に大きな効果をもたらしているとは考えていないと述べた。