トランプ、大統領職を語る「もっと簡単だと思っていた」
4月27日のロイターとのインタビューで、就任後の100日を振り返ったトランプ大統領が、ホワイトハウスの住人となる前の暮らしを懐かしむ一幕があった。写真はホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)
車の運転ができないのは寂しく、繭の中に閉じ込められたように感じることもある。そして、新しい仕事の大変さに驚いている──。
27日に行われたロイターとのインタビューで、就任後の100日を振り返ったトランプ大統領が、ホワイトハウスの住人となる前の暮らしを懐かしむ一幕があった。
「以前の生活を愛していた。色んなことが出来た」と、大統領はホワイトハウスの執務室で語った。「前と比べて、仕事の量が多くなった。(大統領の仕事は)もっと簡単だと思っていた」
ニューヨーク出身の裕福なビジネスマンだったトランプ氏は、昨年11月の大統領選でヒラリー・クリントン前国務長官に対し予想外の勝利を収め、1月20日に大統領に就任。初めて公職についた。
就任から5カ月、100日の節目を迎えるトランプ氏の頭には、まだ大統領選のことがあった。中国の習近平国家主席について話をしていた時、大統領はそれを中断し、2016年の選挙地図の最新の結果だと言って、記者に地図を手渡した。
「さあ、持って行って。(得票数の)最終的な数字の地図だ」と大統領は執務室の机の前から語りかけた。手渡された地図には、トランプ氏が勝利した選挙区が赤で記されていた。「なかなか良いだろう。もちろん赤が私たちだ」
ロイターの記者3人に一部ずつ地図が用意されていた。
トランプ大統領は、「以前の生活」でもプライバシーがないことに慣れていたものの、現在のプライバシーの欠如にはさらに驚いたと語った。24時間シークレット・サービスの警護がつき、常に行動をともにする制約があることにまだ慣れていないという。
「大量の警護がついて実質どこにも行けないので、まるで小さな繭のなかにいるようなものだ」と、大統領は言う。
大統領がホワイトハウスから外出する時、通常はリムジンかSUV(多目的スポーツ車)で移動する。トランプ大統領は、自分でハンドルを握れないのが寂しいという。
「運転は好きだ。もう運転できないんだ」