トランプ、大統領就任100日 公約は果たせたかチェックまとめ
移民と壁
トランプ氏は、不法移民の取り締まり強化と強制送還を公約に掲げていた。メキシコとの国境に壁を建設し、建設費をメキシコに負担させる意向も示していた。
一連の発言の効果もあり、メキシコ国境で今年3月に拘束された不法移民は、過去17年で最低となった。
トランプ氏は国境への壁の建設を主張しているが、予算審議の難航で政府機関が閉鎖される事態を防ぐため、壁の建設予算計上をいったん断念した。
1月27日には、難民とイスラム圏7カ国の市民の入国を一時制限する大統領令を発令したが、連邦裁判所が大統領令を差し止め。3月初旬には、修正を加えた新たな入国制限を命じたが、やはり連邦裁が差し止めを指示した。
トランプ氏は、不法移民を保護する「サンクチュアリ・シティ」(聖域都市)に対して、連邦助金支出を停止する大統領令も出したが、連邦裁はこのほど、差し止めを命じている。
最高裁判事
明確な勝利の一つ。昨年死去した保守派のスカリア氏の後任に同じく保守派のニール・ゴーサッチ氏を任命。民主党の強硬な反対にもかかわらず、議会上院で承認された。
貿易
就任間もなく環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を発表し公約を実行。
北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱もちらつかせていたが、カナダとメキシコとの首脳協議の後、協定停止は求めないことを表明した。
ダンピングや不公正な補助金、「不均衡な」為替、非互恵的な貿易慣行など、貿易赤字の原因の見直しを指示。
中国を為替操作国に認定するとしていたが、4月半ばの為替報告書では見送った。
規制
公約で米経済に悪影響を及ぼしている規制の撤廃を主張。「キーストーンXL」原油パイプラインの建設を承認したほか、オバマ前大統領時代の気候変動関連の各種規制を撤廃した。
国有地での掘削や採掘、その他の開発を推進するため、国定記念物に指定されている自然保護地域や歴史的建造物について指定の見直しを指示したが、反対派からの訴訟も予想されている。
その他、前政権が最後の数カ月で承認した環境、エネルギー、教育、金融サービス分野の規制の見直しを指示。