米シリア攻撃、アサドには「軽いお仕置き」でしかなかった?
別の同盟軍高官は、米軍の攻撃はすぐに終わり、「限定的」だったと言う。高官は、トランプ大統領にとってアサド氏の打倒は優先課題ではないように見受けられ、「米国はまだ明確なシリア政策を持っていない」と述べた。
3人目の同盟軍高官は、攻撃によってトランプ氏が予測不能な行動を取ることは分かったが、米政府の姿勢に大きな変化はないと指摘。「米国の戦略は転換したのか? 彼らはロシアと本格的に事を荒立てたいのか? いや、戦略転換があったとは思えない」と語った。
反体制派は期待
攻撃実施後、トランプ氏はアサド氏に対して「何らか行動を起こす」と厳しい姿勢を示しているが、具体的な行動には言及していない。米国のニッキー・ヘイリー国連大使は8日、アサド大統領退陣が優先課題だと述べ、これまでの方針を転換した。
ティラーソン米国務長官は同日、最優先課題は過激派組織イスラム国(IS)の打倒だと述べており、アサド政権に対してより忍耐強い姿勢を示しているようだ。
オバマ前政権の怠慢を批判してきたシリアの反体制派は、米国がこれを皮切りにアサド政権への攻撃姿勢を強めてほしいと願っている。反体制派グループは7日、米国の「責任」はミサイル攻撃だけでは終わらないと述べた。
反体制派を強制的に郊外へと撤退させるアサド政権の措置は、8日もロシア軍の監視下で計画通り実行された。
シリア国営テレビのインタビューを受けたロシアの軍司令官は、米軍の攻撃によって実行が揺らぐことはないと述べた。
(Tom Perry記者 Laila Bassam記者)